I. はじめに
北海道の日本海に浮かぶ小さな島、焼尻島(やぎしりとう)。手つかずの原生林が島の大部分を覆い、訪れる者を太古の自然へと誘います。隣の天売島が「海鳥の楽園」として知られる一方、焼尻島は「緑深き原生林と癒やしの島」。そこには、都会の喧騒を忘れさせてくれる穏やかな時間が流れています。この記事では、北海道観光の穴場ともいえる焼尻島の魅力を余すところなくご紹介。アクセス方法から、息をのむような絶景スポット、心満たされるおすすめ体験まで、焼尻島観光の完全ガイドをお届けします。さあ、あなたも焼尻島で、五感を刺激する大自然と心安らぐ島時間を満喫しませんか?
出典:「【北海道】札幌・旭川方面から天売島・焼尻島への行き方 | 離島ガイド⧉」|離島ガイド
https://rito-guide.com/tenuri-access/
II. 焼尻島へのアクセス方法:船で渡る、感動の島旅へ
焼尻島へのアクセスは、北海道本土の羽幌町(はぼろちょう)にある羽幌フェリーターミナルから出航する羽幌沿海フェリーを利用するのが唯一の方法です。ここでは、フェリーの利用方法やターミナル情報、アクセスに関する注意点などを詳しく解説します。
出典:「運航ダイヤ – 羽幌沿海フェリー⧉」|羽幌沿海フェリー
https://haboro-enkai.com/timetable/
羽幌フェリーターミナルからの船旅
羽幌沿海フェリーは、フェリーと高速船を運航しており、季節や曜日によって便数や時刻が変動します。通常期であれば、フェリーは1日最大3便、高速船も1日最大3便運航されています。羽幌港から焼尻島までの所要時間は、フェリーで約60分、高速船で約35分です。天売島を経由する便もあるため、事前に時刻表を確認しましょう。
- 予約方法:乗船には予約が推奨されます。特に観光シーズンや週末は混雑が予想されるため、早めの予約が安心です。予約は電話または羽幌沿海フェリーのウェブサイトから可能です。
- 料金:料金はフェリーの種類(フェリーまたは高速船)、等級によって異なります。最新の料金は公式サイトでご確認ください。
羽幌フェリーターミナル情報
焼尻島・天売島への玄関口となる羽幌フェリーターミナルは、旅の拠点として必要な設備が整っています。
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- 住所: 北海道苫前郡羽幌町港町1丁目
- 電話番号: 0164-62-1774
- 売店: ターミナル内には売店はありませんが、近隣にお土産店などがあります。
- レストラン: 「浜のかあちゃん食堂」がGWから8月末までの期間限定で営業しています。地元の海の幸を味わうことができます。
出典:「羽幌町の甘エビ丼&刺身!鮮度が最高…「浜のかあちゃん食堂」-北海道 | うまめしっ!⧉」|うまめしっ!
https://b-gurume.com/hamanokaatyan
- Wi-Fi: 無料Wi-Fiが利用可能です。
ターミナルへのアクセス
羽幌フェリーターミナルへは、車、バイク、バスでアクセスできます。
- 車・バイク: 道央自動車道「深川JCT」から深川留萌自動車道「留萌大和田IC」経由で国道232号線を北上。札幌からは約3時間~3時間半程度です。ターミナルには駐車場があります。
- バス: 札幌駅前ターミナルから沿岸バスが運行する高速バス「特急はぼろ号」を利用し、「本社ターミナル」で下車。そこから羽幌フェリーターミナルまでは羽幌港連絡バス(有料)に乗り換えます。
アクセスに関する注意点
- 天候による欠航: 海上の天候によっては、フェリーが欠航または遅延することがあります。出発前に必ず運行状況を羽幌沿海フェリーのウェブサイトやお電話で確認しましょう。
- 事前予約の推奨: 特に夏休みや連休などの繁忙期は、フェリーの予約が必須です。早めに計画を立て、予約を済ませておくことを強くおすすめします。
詳細な運行状況や予約については、以下の公式サイトをご確認ください。
羽幌沿海フェリー公式サイト
III. 焼尻島の観光スポット紹介:原生林と絶景を巡る旅
周囲約12kmの小さな島、焼尻島。その魅力は、何と言っても手つかずの豊かな自然です。島の約3分の1を占める原生林は国の天然記念物にも指定されており、訪れる人々を圧倒します。ここでは、焼尻島観光で外せない主要な観光スポットをご紹介します。
オンコの荘:風雪が刻んだ自然の奇跡
出典:「天売島・焼尻島の観光スポット|フェリーで旅する北海道⧉」|天売島・焼尻島の観光スポット|フェリーで旅する北海道
https://www.visit-hokkaido.jp/ferry/model_course06/
焼尻島を代表する景勝地が「オンコの荘(しょう)」です。ここには、約5万本ものオンコ(イチイ)の木が自生しています。通常、オンコの木はまっすぐ上に伸び、高さ15mほどに成長しますが、焼尻島のオンコは日本海からの強い海風と冬の豪雪の影響で、高さは1mほどに抑えられ、まるで地を這うように横へ横へと枝を広げた独特の樹形をしています。中には、直径10mにも及ぶものもあり、約300年もの間、厳しい自然環境に耐えてきた生命力の強さを感じさせます。迷路のように入り組んだ原生林を散策すれば、自然が創り出した神秘的なアートに心奪われることでしょう。
- 見どころ: 地を這うように広がるオンコの奇木群、苔むした神秘的な森の雰囲気。
- おすすめポイント: 写真撮影スポットとしても人気。ゆっくりと時間をかけて自然の造形美を堪能してください。
- アクセス方法: 焼尻フェリーターミナルから徒歩またはレンタサイクルで約20~30分。島内周遊バスの停留所もあります。
ウグイス谷:静寂に包まれた野鳥の楽園
出典:「ウグイス谷(北海道/焼尻島)のアクセス・営業時間・料金情報|るるぶ&more.⧉」|るるぶ&more.
https://rurubu.jp/andmore/spot/80001581
「オンコの荘」のさらに奥深く、原生林を進んだ先にあるのが「ウグイス谷」です。ここは、オンコ(イチイ)などの針葉樹とミズナラなどの広葉樹が混生する、より深い森。鬱蒼とした木々が太陽の光を遮り、静寂に包まれた神秘的な空間が広がっています。その名の通り、ウグイスをはじめとする多くの野鳥たちのさえずりが聞こえてくることから、バードウォッチングの絶好のポイントとしても知られています。焼尻島には約200種の野鳥が飛来すると言われており、運が良ければ様々な種類の鳥に出会えるかもしれません。森の奥には泉が湧き出る場所もあり、清らかな水と空気が心を癒してくれます。
- 見どころ: 多様な樹木が織りなす深い森、野鳥のさえずり。
- おすすめポイント: 双眼鏡を持参してバードウォッチングを楽しむ。深呼吸して森林浴を満喫。
- アクセス方法: オンコの荘から遊歩道が続いています。歩きやすい靴で散策しましょう。
雲雀ヶ丘公園:多様な植物と出会える自然の宝庫
出典:「オンコの木の中に入れる?! 焼尻島「オンコの荘」ですごい木に出会った│北海道ファンマガジン⧉」|北海道ファンマガジン
https://hokkaidofan.com/yagishiri_onko/
焼尻島には、約50種15万本もの樹木が自生する森が広がっており、1983年には「焼尻の自然林」として国の天然記念物に指定されました。その豊かな自然を手軽に感じられるのが「雲雀ヶ丘(ひばりがおか)公園」です。園内には池や湿地があり、初夏にはスイレンやミズバショウ、ザゼンソウといった水辺の植物が美しい花を咲かせます。これらの花々や豊かな緑に誘われて、多くの昆虫や野鳥が集まるため、自然観察やバードウォッチングにも最適です。森林浴をしながらのんびりと散策したり、ピクニックを楽しんだりするのもおすすめです。
- 見どころ: 池や湿地に咲く季節の花々(スイレン、ミズバショウ、ザゼンソウなど)、多様な樹木と野鳥。
- おすすめポイント: 家族連れでの自然観察、のんびりとしたピクニック、森林浴。
- アクセス方法: フェリーターミナルから比較的近く、徒歩やレンタサイクルでアクセスしやすい場所にあります。
鷹の巣園地:島随一の絶景パノラマビュー
出典:「1泊2日で旅できる!貴重な動植物と出合える離島、天売島・焼尻島|特集|【公式】北海道の観光・旅行情報サイト HOKKAIDO LOVE!⧉」|北海道観光公式サイト HOKKAIDO LOVE!
https://www.visit-hokkaido.jp/feature/teuri-yagishiri
鬱蒼とした原生林とは対照的に、視界が大きく開けた草原が広がるのが「鷹の巣園地」です。ここからは、目の前に広がる雄大な日本海、そしてわずか4kmほど先に横たわる天売島の姿をはっきりと望むことができます。天気が良ければ、北の方向には利尻富士で知られる利尻島の島影も一望できる、焼尻島随一のビュースポットです。周辺の草原には、初夏から秋にかけて、北海道の花であるハマナスや、エゾスカシユリ、エゾカワラナデシコといった可憐な花々が咲き誇り、景色に彩りを添えます。フェリーターミナルから鷹の巣園地へ向かう「オンコ海道」と呼ばれる道中は、オンコの原生林やのどかなめん羊の放牧風景など、焼尻島らしい景色が楽しめる絶好のドライブルート・サイクリングコースです。
出典:「離島(利尻・礼文・天売・焼尻)の自然景観・絶景ランキングTOP10 – じゃらんnet⧉」|jalan.net
https://www.jalan.net/kankou/010000/013500/g1_22/
- 見どころ: 日本海、天売島、利尻島を一望する大パノラマ、季節の草花、めん羊の放牧風景。
- おすすめポイント: 夕日の名所としても知られる。オンコ海道のサイクリングやドライブの途中に立ち寄る。
- アクセス方法: 島の中央を貫くオンコ海道沿いに位置します。レンタサイクルやレンタカーでのアクセスが便利です。
隣の天売島は、ウトウやウミガラス(オロロン鳥)など100万羽もの海鳥が繁殖する「海鳥の楽園」として世界的に有名ですが、焼尻島はそれとは対照的に、深い森と静けさ、そしてそこに息づく多様な植物や野鳥が魅力の島です。どちらの島も個性的で、両方訪れることで北海道の離島の奥深さをより一層感じることができるでしょう。焼尻島観光では、ぜひこの静かで美しい自然を心ゆくまでお楽しみください。
IV. 焼尻島でのおすすめ体験:自然と一体になる特別な時間
焼尻島の魅力は、美しい景観を眺めるだけではありません。その豊かな自然を全身で感じられるアクティビティも充実しています。ここでは、焼尻島ならではのおすすめ体験をご紹介します。
焼尻島キャンプ:満天の星と野鳥のさえずりに包まれる夜
焼尻島での滞在をより深く楽しむなら、キャンプがおすすめです。島内にはキャンプ場があり、手つかずの自然の中で特別な時間を過ごすことができます。日中は原生林を散策し、夜は都会では決して見ることのできない満天の星空、まさに天然のプラネタリウムを堪能。そして翌朝は、小鳥たちのさえずりをモーニングコールに目覚めるという、贅沢な体験が待っています。都市生活の便利さとはかけ離れた、少し不便さを感じる環境かもしれませんが、それこそが島キャンプの醍醐味。自然との一体感を味わい、心身ともにリフレッシュできるでしょう。
- 魅力: 天然プラネタリウムのような星空、野鳥のさえずりでの目覚め、自然との一体感。
- 予約等: キャンプ場の利用には事前の確認や予約が必要な場合があります。羽幌町の観光情報サイトなどで最新情報を確認しましょう。
- 持ち物: キャンプ用品一式、防寒着(夏でも夜は冷え込むことがあります)、虫除けなど。
ハイキング・自然散策:自分の足で島の鼓動を感じる
焼尻島の原生林や海岸線を巡るハイキングや自然散策は、島の魅力をじっくりと味わうのに最適です。オンコの荘やウグイス谷の神秘的な森の中を歩けば、木々の香りや風の音、木漏れ日の美しさに心が洗われます。雲雀ヶ丘公園では、季節の花々を愛でながらのんびりと散策を楽しめます。また、海岸線を歩けば、奇岩や変化に富んだ景色に出会えるでしょう。自分のペースで、島の隅々まで探検してみてください。
- おすすめコース: オンコの荘~ウグイス谷散策路、雲雀ヶ丘公園周遊、海岸線沿いの遊歩道など。
- ポイント: 歩きやすい服装と靴で。飲み物や軽食も持参すると良いでしょう。
バードウォッチング:多様な野鳥との出会い
焼尻島は、約200種もの野鳥が観察できるバードウォッチングの宝庫です。特にウグイス谷や雲雀ヶ丘公園は、多くの野鳥たちが集まるスポット。双眼鏡を片手に、静かに耳を澄ませば、様々な鳥たちの美しいさえずりが聞こえてきます。アカゲラやゴジュウカラ、季節によっては渡り鳥の姿も見られるかもしれません。野鳥たちの愛らしい姿や美しい声に、きっと癒されるはずです。
- 観察ポイント: ウグイス谷、雲雀ヶ丘公園、その他島内の森林や水辺。
- 持ち物: 双眼鏡、野鳥図鑑(あれば)。
写真撮影:一瞬の美しさを切り取る
焼尻島は、どこを切り取っても絵になる風景が広がっています。オンコの荘の奇木が織りなす幻想的な光景、ウグイス谷の深い緑、鷹の巣園地からの絶景、海岸線の美しい夕日、そして夜空を埋め尽くす星々。写真好きにはたまらない被写体が溢れています。あなただけの特別な一枚を求めて、島内を巡ってみてはいかがでしょうか。めん羊が草を食むのどかな牧草地の風景も、焼尻島ならではの魅力的な被写体です。
- 撮影スポット例: オンコの荘、鷹の巣園地(特に夕景)、白浜海岸、めん羊牧場など。
- ポイント: 早朝や夕暮れ時は、光線状態が良くドラマチックな写真が撮れるチャンスです。
これらの体験を通して、焼尻島の自然の奥深さ、そしてそこに流れる穏やかな「島時間」を存分に味わってください。
V. まとめ:心癒される原生林の島、焼尻島へ
北海道の離島、焼尻島。そこは、太古から続く原生林が息づき、訪れる人々の心を深く癒してくれる特別な場所です。オンコの荘の奇跡的な景観、ウグイス谷の静寂、雲雀ヶ丘公園の豊かな生態系、そして鷹の巣園地から望む絶景。どれもが焼尻島ならではの魅力に溢れています。都会の喧騒から離れ、ただ自然の中に身を置くだけで、忘れかけていた安らぎを取り戻せるでしょう。
一度訪れたら、きっとまた帰りたくなる。そんな不思議な魅力を持つ焼尻島へ、あなたも足を運んでみませんか? きっと、忘れられない感動と癒やしの島時間が待っています。
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