静岡県といえば、雄大な富士山や美しい伊豆の海を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、静岡の魅力はそれだけではありません!実は、地元民に深く愛され、訪れる人々を虜にする絶品の「B級グルメ」の宝庫でもあるのです。
この記事では、静岡ならではの豊かな食文化が生んだ、個性あふれるB級グルメの数々を徹底的にご紹介します。定番中の定番である「静岡おでん」や「富士宮やきそば」、そして圧倒的な存在感を放つ「げんこつハンバーグ」から、駿河湾の宝石「桜えび」や独特の風味「黒はんぺん」まで、静岡の食の魅力を余すところなくお届けします。
出典:「由比の桜えび料理の名店9選!丼とそばで魅力を体験 [食べログまとめ]⧉」|食べログ
https://tabelog.com/matome/14927/
出典:「レストランさわやかのげんこつハンバーグと他のハンバーグの違いは? | はるBLOG/還暦過ぎたら毎日何してる?⧉」|はるBLOG/還暦過ぎたら毎日何してる?
https://haru-kazelife.com/sawayaka-hb-difference/
静岡おでん:真っ黒スープに隠された深い味わい
静岡を代表するB級グルメの筆頭といえば、何と言っても「静岡おでん」です。その最大の特徴は、真っ黒なスープと、だし粉(イワシの削り節やカツオ節、青のりを混ぜたもの)をかけて食べること。初めて見る人はその色に驚くかもしれませんが、見た目とは裏腹に、牛スジや鶏ガラでじっくり煮込まれたスープは意外にもあっさりとしており、それでいて深いコクと旨味が凝縮されています。
出典:「静岡おでんのレシピ・作り方|レシピ大百科(レシピ・料理)|【味の素パーク】 : 牛スジ肉やじゃがいも(大)を使った料理⧉」|AJINOMOTO PARK
https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/704651/
静岡おでんの歴史は古く、大正時代にまで遡ると言われています。当時、捨てられていた牛スジや豚モツを煮込んだのが始まりとされ、駄菓子屋の軒先で子どもたちのおやつとしても親しまれてきました。そのため、静岡おでんの具材は串に刺さっているものが多く、手軽に楽しめるのも魅力の一つです。
静岡おでんの特徴的な具材
- 黒はんぺん: 静岡おでんに欠かせないのが、この「黒はんぺん」。イワシやサバを骨ごとすり身にして作られるため、灰色がかった独特の色をしています。魚の旨味がギュッと詰まっており、しっかりとした歯ごたえと風味が特徴です。
- 牛スジ: 長時間煮込まれた牛スジは、とろけるように柔らかく、スープの旨味をたっぷりと吸い込んでいます。コラーゲンも豊富で、女性にも人気です。
- 練り物: なると巻、ごぼう巻、大根、こんにゃく、卵といった定番の具材も、静岡おでんならではの黒いスープで煮込まれることで、他とは一味違う深い味わいになります。
- その他: 大根、玉子、こんにゃく、厚揚げなども定番ですが、お店によってはモツやフワ(牛の肺)といった珍しい具材も楽しめます。
静岡おでんを食べる際には、お皿に取ったおでんに「だし粉」と、お好みで「青のり」や「からし」をかけていただきます。このだし粉が、おでんの風味を一層引き立て、独特の味わいを生み出しています。
おすすめの静岡おでん店
静岡市内には、昔ながらの駄菓子屋風のお店から、居酒屋スタイルのお店まで、数多くの静岡おでん店が軒を連ねています。
- おがわ
出典:「静岡おでん『おがわ』 – 創業昭和23年静岡おでんの「おがわ」⧉」|静岡おでん『おがわ』
https://j-gourmet.jp/ogawa/
静岡市葵区馬場町にある、昭和23年創業の老舗。昔ながらの駄菓子屋のような懐かしい雰囲気で、地元民にも観光客にも大人気です。牛スジや黒はんぺんはもちろん、濃いめの出汁が染み込んだ具材はどれも絶品。価格帯もリーズナブルで、1本100円前後から楽しめます。昼時は行列ができることも。
雰囲気: レトロ、駄菓子屋風
おすすめメニュー: 牛スジ、黒はんぺん、大根
価格帯: 1本100円~ - 青葉おでん街・青葉横丁
出典:「静岡おでんはココで食べよう!青葉おでん街・青葉横丁で絶対行くべき人気店 | 静岡県 | トラベルjp 旅行ガイド⧉」|トラベルjp 旅行ガイド
https://www.travel.co.jp/guide/article/22602/
静岡市葵区常磐町にある、小さなおでん屋台が約20軒もひしめき合うエリア。それぞれのお店が独自の味を競い合っており、はしご酒ならぬ「はしごおでん」を楽しむのも一興です。どのお店に入るか迷うのもまた楽しい体験。例えば「三河屋」などは、地元の人で賑わう人気店の一つです。お店ごとに少しずつ違う出汁の味や具材を試してみてください。
雰囲気: 屋台、レトロ、賑やか
おすすめメニュー: 各店自慢のおでん種
価格帯: 1本100円~200円程度(お店による) - 海ぼうず 本店静岡駅近く、静岡市葵区両替町にある人気店。伝統的な静岡おでんに加え、トマトおでんやチーズおでんといった創作おでんも楽しめます。地酒の種類も豊富で、お酒と共に静岡おでんをゆっくり味わいたい方におすすめです。店内は活気があり、グループでの利用にも向いています。
雰囲気: 居酒屋、活気がある
おすすめメニュー: 静岡おでん盛り合わせ、黒はんぺんフライ
価格帯: おでん1本150円~、一品料理500円~
静岡のB級グルメを語る上で外せない静岡おでん。その奥深い味わいをぜひ現地で体験してみてください。
富士宮やきそば:コシのある麺と肉かすのハーモニー
出典:「None⧉」|None
https://cookien.com/recipe/770/
静岡県富士宮市が誇るB級グルメのスター、「富士宮やきそば」。全国的にもその名は知られ、B-1グランプリで殿堂入りを果たすなど、その実力は折り紙付きです。その最大の特徴は、独特の「麺」にあります。
富士宮やきそばの麺は、一般的な焼きそば麺とは異なり、水分が少なくコシが非常に強いのが特徴です。これは、富士宮市内にある特定の製麺所(曽我めん、叶屋、マルモ食品工業、木岡製麺所など)で作られた蒸し麺で、茹でずに使用します。この麺のおかげで、炒めてもベチャッとならず、独特のモチモチとした食感が生まれます。
富士宮やきそばの「富士宮スタイル」
富士宮やきそばを名乗るためには、いくつかの定義があります。代表的なものを挙げると、
- 富士宮市内にある指定製麺業者の麺を使用する。
- 炒める際の油としてラードを使用する(または、イカやエビなどの魚介類と一緒に炒める場合は、その油分でも可)。
- 具材として「肉かす」(豚の背脂を加熱してラードを搾り取った後の残りカス)を入れる。
- キャベツは地元産(特に高原キャベツ)が望ましい。
- 仕上げにイワシの削り粉(だし粉)をふりかける。
- 紅しょうがを添える。
これらの要素が組み合わさることで、富士宮やきそばならではの香ばしさと深いコク、そして独特の食感が生まれるのです。特に「肉かす」は、旨味と香ばしさをプラスする重要な役割を担っており、これがなければ富士宮やきそばとは言えません。また、仕上げに振りかけるだし粉も、風味を一層豊かにします。
おすすめの富士宮やきそば店
富士宮市内には、富士宮やきそばを提供するお店が150軒以上あると言われています。それぞれのお店が独自のこだわりを持っています。
- うるおいてい富士宮市淀師にある、富士宮やきそば学会のアンテナショップも兼ねる人気店。広々とした店内で、基本の富士宮やきそばから、海鮮入りやキムチ入りなどのバリエーションも楽しめます。麺のコシ、ソースの味、肉かすの風味のバランスが絶妙です。お昼時には多くの人で賑わいます。
雰囲気: カジュアル、ファミリー向け
おすすめメニュー: 富士宮やきそば(並)、うるおい焼き(ミックス)
価格帯: 700円~1,200円程度 - 虹屋ミミ富士宮市矢立町にある、地元民に愛される老舗。昔ながらの鉄板で焼かれるやきそばは、香ばしさが際立ちます。シンプルな「やきそば」のほか、卵を乗せた「たまごのせ」も人気。女将さんの温かい人柄も魅力の一つです。
雰囲気: レトロ、アットホーム
おすすめメニュー: やきそば、たまごのせ
価格帯: 500円~800円程度 - すぎ本富士宮市源道寺町にある、鉄板焼きのお店。富士宮やきそばはもちろん、お好み焼きやしぐれ焼き(お好み焼きにご飯が入ったもの)も人気です。目の前の大きな鉄板で調理されるライブ感も楽しめます。地元産のキャベツをたっぷり使ったやきそばは、甘みとシャキシャキ感がたまりません。
雰囲気: 活気がある、カウンター席あり
おすすめメニュー: 富士宮やきそば、五目しぐれ
価格帯: 600円~1,000円程度
コシのある麺と肉かす、そしてだし粉が織りなすハーモニーは、一度食べたら忘れられない美味しさ。静岡を訪れた際には、ぜひ本場の富士宮やきそばを味わってみてください。
げんこつハンバーグ:肉汁爆弾!静岡県民のソウルフード
静岡県民に「ハンバーグといえば?」と聞けば、多くの人がその名を挙げるであろう「げんこつハンバーグ」。これは、静岡県内にのみチェーン展開する炭焼きレストラン「さわやか」の看板メニューです。その名の通り、まるでげんこつのような丸々とした形が特徴で、熱々の鉄板に乗せられて運ばれてくると、目の前で店員さんが半分にカットし、中身を鉄板に押し付けて焼き上げてくれます。このパフォーマンスも人気の秘密の一つです。
出典:「さわやか Instagram⧉」|さわやか Instagram
https://www.instagram.com/sawayaka_shizuoka/
「さわやか」のげんこつハンバーグは、牛肉100%(オーストラリア産またはニュージーランド産)を使用しており、つなぎをほとんど使わないため、肉本来の旨味と食感をダイレクトに味わえます。炭火でじっくり焼き上げることで、外は香ばしく、中はミディアムレアの絶妙な焼き加減に。ナイフを入れると、ジュワ~っとあふれ出す肉汁はまさに「肉汁爆弾」!そのジューシーさと豪快な食べ応えは、多くの人々を虜にしています。
「炭焼きレストランさわやか」のこだわり
「さわやか」のげんこつハンバーグは、その美味しさだけでなく、徹底した品質管理と安全へのこだわりも支持される理由です。
- 牛肉100%: 牛肉本来の味を追求し、牛肉100%にこだわっています。
- 産地指定: 安全で美味しい肉を提供するため、オーストラリアやニュージーランドの指定牧場で育った牛を使用。
- 自社工場での加工: 静岡県袋井市にある自社工場でハンバーグを製造。新鮮な状態で店舗に届けられます。
- 炭焼き: 遠赤外線効果で、外はこんがり、中はジューシーに焼き上げます。
- 提供方法: お客様の目の前で最終調理を行うことで、できたての美味しさを提供。ソースは「オニオンソース」か「デミグラスソース」を選べますが、多くの人がオニオンソースを選びます。
「さわやか」は静岡県内にしか店舗がないため、県外からわざわざこのげんこつハンバーグを食べに訪れるファンも少なくありません。週末や祝日、食事時には長い行列ができることも珍しくなく、その人気ぶりがうかがえます。
げんこつハンバーグの楽しみ方
「げんこつハンバーグ(250g)」の他に、少し小ぶりな「おにぎりハンバーグ(200g)」もあります。焼き加減は基本的にミディアムレアで提供されますが、よく焼いてほしい場合は注文時に伝えれば対応してくれます。熱々の鉄板で提供されるため、油はねに注意が必要です。紙エプロンが用意されているので、必ず着用しましょう。
ハンバーグが運ばれてくると、店員さんが半分にカットし、熱い鉄板に断面を押し付けます。この時、ジュージューという音と立ち上る湯気、そして香ばしい匂いが食欲をそそります。ソースをかけるとさらに激しく油がはねるので、ソースをかけ終わるまで紙ナプキンでガードするのが「さわやか」流の食べ方です。
雰囲気: ファミリーレストラン、活気がある
おすすめメニュー: げんこつハンバーグ、おにぎりハンバーグ
価格帯: げんこつハンバーグセット(ライスまたはパン、スープ付き)で1,500円前後
げんこつハンバーグは、まさに静岡のソウルフード。静岡を訪れた際には、この肉汁あふれる絶品ハンバーグをぜひ体験してみてください。その圧倒的な満足感に、あなたもきっと「さわやか」ファンになることでしょう。
まだまだある!静岡の隠れたB級グルメたち
静岡おでん、富士宮やきそば、げんこつハンバーグ以外にも、静岡には魅力的なB級グルメがたくさんあります。ここでは、その一部をご紹介します。
桜えび料理:駿河湾の赤い宝石
静岡県の駿河湾でしか獲れない貴重な「桜えび」。鮮やかなピンク色と豊かな風味が特徴で、春漁(3月下旬~6月上旬)と秋漁(10月下旬~12月下旬)の時期には、新鮮な生の桜えびを味わうことができます。由比港や蒲原港周辺には、桜えび料理を提供するお店が多くあります。
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- 桜えびのかき揚げ: サクサクの衣の中に、桜えびの香ばしさと甘みが凝縮された逸品。蕎麦やうどんと一緒に、またはかき揚げ丼としても楽しめます。「浜のかきあげや」(静岡市清水区由比今宿)などが有名です。
出典:「浜のかきあげや – 由比/揚げ物 | 食べログ⧉」|食べログ
https://tabelog.com/shizuoka/A2201/A220102/22000794/
- 生桜えび丼: 新鮮だからこそ味わえる、生の桜えびをたっぷり乗せた丼。とろけるような食感と、桜えび本来の甘みを堪能できます。
- 釜揚げ桜えび: 茹でたての桜えびは、ふっくらとした食感と優しい甘みが特徴。そのまま食べても、ご飯に乗せても美味しいです。
桜えびは、静岡の海の幸を代表する食材の一つ。その繊細な味わいは、一度食べたら忘れられないでしょう。
黒はんぺん料理:地元で愛される万能食材
静岡おでんでもおなじみの「黒はんぺん」ですが、おでん以外にも様々な調理法で楽しまれています。イワシやサバを丸ごと使うため栄養価も高く、地元では日常的に食卓に上る食材です。
- 黒はんぺんフライ: 黒はんぺんに衣をつけて揚げたもの。外はサクサク、中はもっちりとした食感で、ソースや醤油をつけていただきます。お弁当のおかずや、お酒のおつまみとしても人気です。
- 焼き黒はんぺん: シンプルに焼いただけの黒はんぺんは、魚の風味がより一層引き立ちます。生姜醤油でいただくのがおすすめです。
- 黒はんぺんのバター焼き: バターで焼くと、コクと風味が加わり、また違った美味しさが楽しめます。
黒はんぺんは、静岡県内のスーパーマーケットやお土産店でも手軽に購入できます。その素朴ながらも奥深い味わいは、静岡の食文化に欠かせない存在です。
これらの他にも、浜松餃子(浜松市)、伊豆のわさび丼、掛川いも汁など、静岡県内には各地域に根ざしたB級グルメが点在しています。静岡を旅する際には、ぜひ地元の味を探求してみてください。
出典:「わさび飯(わさび丼)の作り方・レシピ|伊豆のわさびで孤独のグルメ再現⧉」|キッチンノート
https://k.araisun.com/gohan/wasabi-bowl.html
出典:「浜松餃子特設サイト|浜松餃子 世界にPRプロジェクト⧉」|浜松餃子特設サイト|浜松餃子 世界にPRプロジェクト
https://www.hamamatsu-gyoza.jp/
まとめ:静岡B級グルメの旅へ出かけよう!
今回は、静岡県が誇る絶品B級グルメの数々、「静岡おでん」「富士宮やきそば」「げんこつハンバーグ」、そして「桜えび」「黒はんぺん」といった魅力的な食材をご紹介しました。それぞれの料理には、静岡の歴史や風土、そして地元の人々の愛情が詰まっています。
静岡のB級グルメは、手軽に味わえるものが多く、それでいて奥深い美味しさを持っているのが特徴です。この記事を読んで、少しでも静岡の食文化に興味を持っていただけたなら幸いです。ぜひ、実際に静岡を訪れて、これらのグルメを心ゆくまで堪能してみてください。きっと、あなたの旅の思い出をより一層豊かにしてくれる、忘れられない食体験が待っていることでしょう!静岡のB級グルメ巡りは、新たな発見と感動に満ちています。さあ、美食の宝庫、静岡へ!
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