【超ローカルから定番まで】北海道B級グルメ完全ガイド!30選!

Hokkaido 観光地紹介
Hokkaido | Picture from Pixabay

近年、北海道新幹線開通などの影響もあり、北海道はますます人気の観光地となっています。壮大な自然景観はもちろんのこと、北海道の「食」への関心は非常に高く、多くの旅行者がその味を求めて訪れます。新鮮な海の幸や山の幸を活かした料理は数知れませんが、今回は特に地元で愛され、旅の醍醐味とも言える「B級グルメ」に焦点を当てます。

本記事では、定番から知る人ぞ知るローカルフードまで、北海道のB級グルメの奥深い魅力を発掘し、皆さんの北海道旅行がより豊かなものになるような情報をお届けします。札幌のような大都市の味から、各地方都市に根付く個性的な一品まで、その歴史や特徴、味わいのポイントを詳しくご紹介。この記事を読めば、あなたもきっと北海道B級グルメの虜になるはずです。海の幸、山の幸、そして独自の食文化が融合した北海道ならではの味覚の冒険へ、さあ出発しましょう!

I. はじめに

北海道は、その広大な大地と豊かな自然環境から、四季折々の味覚が楽しめる食の宝庫です。高級なイメージのある海鮮丼やカニ料理、ジンギスカン、札幌ラーメンや旭川ラーメンといった定番グルメはもちろん魅力的ですが、地元の人々に日常的に親しまれているB級グルメには、その土地ならではの歴史や文化が色濃く反映されており、旅の思い出をより一層深いものにしてくれます。この記事では、北海道全域に広がるB級グルメの中から、特に個性的で味わい深い逸品を厳選してご紹介します。定番の味から、初めて聞くようなユニークなローカルフードまで、その背景にあるストーリーや、おいしさの秘密に迫ります。北海道の食の多様性は、新鮮な海の幸、広大な大地で育まれた農産物、そして厳しい自然環境の中で培われた人々の知恵と工夫の賜物です。この記事が、あなたの北海道グルメ探訪の一助となれば幸いです。

松尾ジンギスカン公式サイト 北海道の札幌・滝川・千歳などに展開

出典:「松尾ジンギスカン公式サイト 北海道の札幌・滝川・千歳などに展開⧉」|matsuo1956.jp
https://www.matsuo1956.jp/

II. 札幌のB級グルメ

北海道の道庁所在地であり、最大の都市である札幌。流行の発信地でもあるこの街には、全国的に有名なB級グルメが根付いています。

スープカレー

メニュー | スープカリーキング

出典:「スープカリーキング 公式ホームページ | 札幌スープカレー⧉」|soupcurry-king.shop
http://www.soupcurry-king.shop/

北海道グルメの中でも特に知名度が高い「スープカレー」。その発祥は昭和46年(1971年)に札幌市内の喫茶店「アジャンタ」が提供した薬膳カリィがルーツと言われています。ゴロゴロと大きな野菜やお肉がたっぷり入っており、スパイスが効いたサラサラのスープが特徴です。ご飯をスープに浸して食べるのが一般的で、各店が独自にブレンドしたスパイスの複雑な香りと辛味が食欲をそそります。近年では、鶏ガラや豚骨ベースの濃厚なものから、トマトベース、魚介出汁を効かせたもの、ココナッツミルクを使ったマイルドなものまで、スープのバリエーションも豊富。辛さやライスの量、トッピングも選べる店が多く、自分好みの一杯を見つけるのも楽しみの一つです。札幌市内には数多くの専門店が軒を連ね、それぞれに個性的な味わいを競っています。行列のできる人気店も多く、札幌を訪れた際にはぜひ味わいたい逸品です。

ジンギスカン

北海道を代表する肉料理といえば「ジンギスカン」。中央が盛り上がった独特の形状のジンギスカン鍋で、マトン(成羊肉)やラム(仔羊肉)の薄切り肉と野菜を焼いて食べる料理です。その起源には諸説あり、モンゴル帝国の英雄ジンギスカンが遠征の際に兵士に振る舞ったという説や、戦時中に旧満州(現在の中国東北部)で食べられていた羊肉料理を日本風にアレンジしたという説など、歴史ロマンを感じさせます。北海道では、タレに漬け込んだ味付きジンギスカンと、焼いた後にタレにつけて食べる後付けジンギスカンがあり、地域や店によってスタイルが異なります。羊肉特有の風味は、ビールとの相性も抜群。札幌市内には老舗の専門店から、気軽に楽しめるお店まで幅広く存在し、道民にとってはバーベキューの定番メニューとしても親しまれています。北海道の雄大な自然を感じながら味わうジンギスカンは格別です。

III. 各地のローカルフード探訪

札幌を離れ、道内各地に足を運ぶと、そこには地域色豊かなB級グルメが待っています。地元の人々に愛され続ける、個性あふれる味をご紹介しましょう。

小樽:あんかけ焼きそば

公式】小樽あんかけ焼きそば鶴龍 – 小樽名物あんかけ焼きそばの店。鶏清湯を使った絶品あんかけ焼きそばをご堪能ください。

出典:「【公式】小樽あんかけ焼きそば鶴龍 – 小樽名物あんかけ焼きそばの店。鶏清湯を使った絶品あんかけ焼きそばをご堪能ください。⧉」|otaru-kakuryu.com
https://otaru-kakuryu.com/

運河とノスタルジックな街並みが魅力の小樽市で、長年市民に愛されているのが「あんかけ焼きそば」です。昭和19年(1944年)頃に市内の中華料理店で提供されたのが始まりと言われています。カリッと焼かれた麺の上に、エビやイカなどの海鮮、豚肉、白菜、タケノコ、キクラゲといった具材がたっぷり入った、甘辛い醤油ベースのあんがとろりとかかっています。このあんかけ焼きそばには特に厳密な定義はなく、店ごとに麺の太さや焼き加減、あんの味付け、具材の種類などが異なるため、食べ比べるのも大きな楽しみの一つ。ボリューム満点で、一杯でお腹も心も満たされる小樽のソウルフードです。市内には多くの提供店があり、地元民はもちろん観光客にも人気です。食べる際は、最初はそのまま、途中から酢やからしを加えて味の変化を楽しむのがおすすめです。

岩見沢:岩見沢バーガー

岩見沢市のPRと地域活性化を目指して2010年に誕生したご当地バーガーが「岩見沢バーガー」です。単なるハンバーガーではなく、いくつかの定義が設けられています。例えば、バンズには地元産米粉を混ぜること、パティには貴重なキジ肉を使用すること、岩見沢特産のタマネギ「札幌黄」を使ったフライドオニオンと、同じく岩見沢産の野菜「コスモリーフ(フリルレタスの一種)」を使用すること、そして玉子を挟むことなどがルールとされています。キジ肉のパティはヘルシーながらも深みのある味わいで、特製ソースとの相性も抜群。米粉を配合したバンズはもっちりとした食感が特徴です。人気が高く、イベントなどではすぐに売り切れてしまうこともあるため、見かけたらぜひ味わってみてください。販売店によっては事前確認をした方が良いでしょう。

倶知安:豪雪うどん

豪雪うどん

出典:「まるで雪のような白さ!男爵芋を使った「豪雪うどん」が大人気!│北海道ファンマガジン⧉」|北海道ファンマガジン
https://hokkaidofan.com/gosetsuudon/

ニセコ連峰の麓に位置し、世界的なスキーリゾートとしても知られる倶知安町。この豪雪地帯で生まれたのが「豪雪うどん」です。最大の特徴は、麺の主原料に地元名産の男爵いものデンプンを使用していること。道産小麦と羊蹄山麓の清らかな湧き水を使って練り上げられた麺は、半透明でつるつるとした喉越しと、ぷりぷりとした独特の弾力、そして強いコシが楽しめます。見た目は冷麺にも似ていますが、温かいうどんとしても、冷たいうどんとしても美味しくいただけます。デンプン由来の自然な甘みも感じられ、優しい味わいです。お土産用に乾麺や生麺も販売されており、倶知安を訪れた記念にも最適。食べる際は、その独特の食感をしっかりと感じられるよう、シンプルに味わうのがおすすめです。

室蘭:室蘭やきとり

室蘭やきとり | おっと!むろらん -[公式]室蘭観光情報サイト-

出典:「室蘭やきとり | おっと!むろらん -[公式]室蘭観光情報サイト-⧉」|muro-kanko.com
http://muro-kanko.com/eat-buy/yakitori.html

工業都市として発展してきた室蘭市で、70年以上にわたり市民の胃袋を満たしてきたソウルフードが「室蘭やきとり」です。「やきとり」という名前ですが、串に刺さっているのは鶏肉ではなく豚肉と玉ねぎ。これが室蘭やきとりの最大の特徴です。豚の精肉(肩ロースなど)と玉ねぎを交互に串に刺し、甘辛いタレで香ばしく焼き上げます。そして、食べる際には洋がらしをたっぷりつけていただくのが「室蘭スタイル」。豚肉のジューシーな旨味と玉ねぎの甘み、そしてタレの香ばしさに、ピリッとした洋がらしの辛味が絶妙なアクセントとなり、食欲を刺激します。戦後の屋台が発祥と言われ、安くてボリュームがあり、労働者たちの貴重な栄養源として親しまれてきました。市内には多くの専門店があり、地元の人々で賑わっています。

帯広:豚丼

公式】帯広の豚丼専門店|ぶた丼のとん田

出典:「【公式】帯広の豚丼専門店|ぶた丼のとん田⧉」|ぶた丼のとん田
https://butadonnotonta.com/

広大な十勝平野の中心都市、帯広市。ここで生まれた「豚丼(ぶたどん)」は、今や全国的にも知られる北海道を代表する丼物の一つです。帯広の豚丼は、厚めにスライスした豚ロース肉やばら肉を、砂糖醤油ベースの甘辛いタレで香ばしく焼き上げ、熱々のご飯の上に盛り付けたシンプルな料理。このタレが命で、各店が秘伝のレシピを守り続けています。炭火で焼く店も多く、その香ばしさが食欲をそそります。大正末期から昭和初期にかけて、帯広市内の食堂の店主が、当時高価だった鰻丼の代わりに、手に入りやすかった豚肉を使ってスタミナのつく料理として考案したのが始まりと言われています。大手牛丼チェーンの豚丼とは一線を画す、専門店ならではの本格的な味わいです。シンプルながらも奥深い味わいの帯広豚丼は、十勝の豊かな食文化を象徴する一品と言えるでしょう。店によっては山椒や白髪ネギを添えることもあります。

函館:やきとり弁当

函館名物やきとり弁当 | ハセガワストア

出典:「函館名物やきとり弁当 | ハセガワストア⧉」|hasesuto.co.jp
https://www.hasesuto.co.jp/

異国情緒あふれる港町、函館市。ここで地元民に絶大な人気を誇るのが、コンビニエンスストア「ハセガワストア」で販売されている「やきとり弁当」です。こちらも「やきとり」と名が付いていますが、使用されているのは豚精肉。注文を受けてから店内で焼き上げるため、いつでも出来立て熱々を味わえます。味付けは、定番の甘辛い「タレ」のほか、ガーリックの隠し味が効いた「塩」、醤油ベースの「塩だれ」、ピリ辛の「うま辛」などがあり、好みに合わせて選べます。ご飯の上には海苔が敷かれ、その上に串から外された焼き鳥が乗っています。シンプルながらも飽きのこない美味しさで、函館市民にとってはソウルフードと言える存在です。函館市内および近郊のハセガワストア各店で購入できます。手軽に函館の味を楽しめるので、観光客にもおすすめです。

函館:ラッキーピエロのハンバーガー

ベイエリア本店 - 函館ラッキーピエロ

出典:「ラッキーピエロ⧉」|ラッキーピエロ
https://luckypierrot.jp/shop/

函館を訪れたら絶対に外せないのが、地元で絶大な人気を誇るハンバーガーレストラン「ラッキーピエロ」です。函館市内に十数店舗を展開する地域密着型のレストランで、その個性的なメニューとボリューム、そしてリーズナブルな価格で、地元民はもちろん多くの観光客を魅了しています。「ハンバーガー愛好会金賞受賞」の看板を掲げる通り、その味は折り紙付き。注文を受けてから作り始めるため、いつでも出来立て熱々。冷凍物は一切使用しないというこだわりも美味しさの秘訣です。一番人気は、甘辛いタレで味付けした鶏の唐揚げとレタス、マヨネーズを挟んだ「チャイニーズチキンバーガー」。そのほかにも、120gのボリューム満点のパティを使ったハンバーガーが10種類以上あり、どれも個性的で食べ応え十分です。店舗ごとにテーマの異なるユニークな内装も楽しめます。

森町:いかめし

いかめし阿部商店 - Wikipedia

出典:「いかめし阿部商店 – Wikipedia⧉」|ja.wikipedia.org
https://ja.wikipedia.org/wiki/いかめし阿部商店

北海道南西部に位置する森町(もりまち)。ここの名物といえば、全国の駅弁フェアでも常に上位の人気を誇る「いかめし」です。その発祥は古く、昭和16年(1941年)、森駅の駅弁として「阿部商店」(現・いかめし阿部商店)が考案しました。当時、豊漁だったスルメイカの胴体に、もち米とうるち米を詰めて甘辛い秘伝のタレでじっくりと炊き上げたもので、戦時中の食糧難の時代に、お米を節約しながらも腹持ちの良い駅弁として考案されたと言われています。中身はイカとご飯だけというシンプルさですが、イカの旨味が染み込んだもちもちのご飯と、柔らかく煮込まれたイカのハーモニーは絶妙。創業以来ほとんど変わらないという伝統の味付けは、どこか懐かしく、長年愛され続ける理由が分かります。500円以下というリーズナブルな価格も魅力の一つ。北海道を代表する駅弁の一つとして、函館本線森駅のほか、物産展などでも手に入ります。ちなみに、函館もイカが有名で「函館イカめし」といった言葉も聞かれますが、元祖いかめしはこの森町のものが有名です。

稚内・利尻:あげいも

日本最北端の街、稚内市や、利尻島・礼文島などの道北エリアでよく見かけるB級グルメが「あげいも」です。これは、蒸したジャガイモ(主に男爵いもなどの北海道産)に、ホットケーキミックスのような甘めの衣をつけて油で揚げ、団子のように3~4個を串に刺したものです。サービスエリアや道の駅、観光地の売店などで手軽に購入でき、小腹が空いた時のおやつにぴったり。衣の味付けは店によって異なり、ほんのり甘いものから、塩味を効かせたものまで様々です。外はサクッと、中はホクホクのジャガイモの素朴な味わいが楽しめます。揚げたて熱々を頬張れば、旅の疲れも吹き飛ぶ美味しさ。北海道のジャガイモの美味しさをシンプルに味わえる一品です。

北見:オホーツク北見塩焼きそば

オホーツク海に面し、玉ねぎの生産量日本一を誇る北見市。この街で2007年に誕生したご当地グルメが「オホーツク北見塩焼きそば」です。単なる塩焼きそばではなく、いくつかの厳格なルールが定められています。まず、麺は道内産の小麦を使用すること。具材には、地元北見産の玉ねぎと、オホーツク海で獲れたホタテを使用すること。そして、味付けの決め手となる塩ダレは、オホーツクの塩、ホタテのエキス、そして地元産玉ねぎから抽出した成分をベースに作られたものを使用すること。さらに、提供時には割り箸ではなく、道産の間伐材で作られたエコ箸を使用することも推奨されています。これらのルールを守った店だけが「オホーツク北見塩焼きそば」を名乗ることができます。ホタテの旨味と玉ねぎの甘みが凝縮された特製塩ダレが、香ばしく炒められた麺と具材に絡み、あっさりしながらも深みのある味わいを生み出しています。仕上げに魔法の水と呼ばれるホタテのスープをかけるお店もあり、最後まで美味しくいただけます。

釧路:スパカツ

スパカツ

出典:「【公式】(株)泉屋 | 北海道釧路ソウルフード スパカツ(店舗/泉屋ソロ鳥取店)⧉」|【公式】(株)泉屋
https://kushiro-izumiya.com/

北海道東部、太平洋に面する港町・釧路市。この街で「ソウルフード」として絶大な支持を得ているのが「スパカツ」です。熱々の鉄板皿の上に、炒めた太めのスパゲッティを敷き、その上に揚げたてのトンカツを乗せ、さらに上から濃厚なミートソースをたっぷりとかけた、ボリューム満点の一品。このスタイルは、釧路市内の老舗レストラン「泉屋」が発祥と言われています。ジュージューと音を立てて運ばれてくるスパカツは、見た目のインパクトも抜群。鉄板で熱せられたミートソースが香ばしく、太麺のスパゲッティとサクサクのトンカツによく絡みます。どこか懐かしさを感じる味わいで、子供から大人まで幅広い世代に愛されています。釧路を訪れた際には、ぜひこの豪快な一皿を体験してみてください。

釧路:さんまんま

さんまんま

出典:「店舗紹介 | 釧路フィッシャーマンズワーフMOO⧉」|moo946.com
https://www.moo946.com/shop/?no=9005

釧路の秋の味覚といえばサンマ。そのサンマを贅沢に使ったご当地グルメが「さんまんま」です。これは、道産のお米ともち米を混ぜて炊き込んだご飯を、丁寧に骨を取り除いた道産のサンマで包み、さらに大葉で風味を加え、炭火でじっくりと香ばしく焼き上げたものです。サンマの脂の旨味と香ばしさ、大葉の爽やかな香り、そして秘伝の醤油ベースのタレが絶妙に調和し、食欲をそそります。見た目は棒寿司のようですが、炊き込みご飯を使っているのが特徴。持ち帰りも可能で、お酒のおつまみとしても人気があります。釧路市内の居酒屋や和食店などで味わうことができます。旬の時期には特に脂が乗って美味しいですが、冷凍技術の向上により通年提供している店もあります。

釧路:勝手丼

勝手丼

出典:「デカ盛り!和商市場の勝手丼で北海道の海産物をガッツリ楽しもう⧉」|北海道ラボ~グルメ・自然・文化まるごと楽しむ北海道旅行ガイド~
https://hokkaido-labo.com/area/kushiro/washoichiba-kattedon

釧路の台所として知られる「和商市場」。ここで体験できるユニークなグルメが「勝手丼(かってどん)」です。まず市場内のご飯屋さんで白飯(酢飯の場合もあり)を購入し、丼を片手に市場内を巡ります。そして、鮮魚店に並ぶ新鮮な魚介類の中から、自分の好きなネタを好きなだけ選び、一切れ単位で購入してご飯の上に乗せてもらいます。まさに自分だけのオリジナル海鮮丼を作ることができるのです。カニ、エビ、ホタテ、イクラ、ウニなど、北海道ならではの新鮮な海の幸がずらりと並び、目移りしてしまうほど。予算や好みに合わせて自由にカスタマイズできるのが最大の魅力です。市場の活気を感じながら、とびきり新鮮な海鮮をリーズナブルに味わえる、釧路ならではの楽しい食体験です。

釧路:鮭のちゃんちゃん焼き

北海道の郷土料理として広く知られる「鮭のちゃんちゃん焼き」。元々は、石狩地方の漁師たちが浜辺で獲れたての鮭を豪快に調理して食べたのが始まりと言われています。鮭の半身を丸ごと鉄板やホットプレートに乗せ、その周りに玉ねぎ、キャベツ、もやし、ピーマン、しめじなどの野菜をたっぷりと敷き詰めます。そして、鮭の身の上に味噌ベースのタレ(白味噌や合わせ味噌に砂糖、みりん、酒などを加えたもの)を塗り、バターを乗せて、全体をアルミホイルで包んで蒸し焼きにするのが一般的なスタイルです。鮭の旨味と野菜の甘みが味噌ダレと絡み合い、バターのコクが加わって、ご飯が進むこと間違いなし。鮭の身をほぐしながら、野菜やタレと一緒にいただきます。家庭料理としても親しまれており、北海道の味覚を代表する料理の一つです。

根室:エスカロップ

日本最東端の街、根室市。ここで半世紀以上にわたって愛されているご当地洋食が「エスカロップ」です。一般的には、炒めたケチャップライスまたはバターライス(タケノコ入りが多い)の上に薄切りのトンカツを乗せ、その上から特製のデミグラスソースをかけたワンプレート料理です。昭和38年(1963年)頃に根室市内の喫茶店で、忙しい漁師たちが手早く栄養を摂れるようにと考案されたと言われています。「エスカロップ」という名前の由来は、フランス語の「エスカロープ(肉の薄切り)」から来ているという説が有力です。地元では「エスカ」の愛称で親しまれ、ライスがケチャップライスのものを「赤エスカ」、バターライスのものを「白エスカ」と呼ぶこともあります。ボリューム満点で、濃厚なデミグラスソースとトンカツ、ライスの組み合わせは、一度食べたら忘れられない味わいです。

根室:別海ジャンボホタテバーガー

根室海峡に面した別海町は、日本有数のホタテの水揚げ量を誇ります。この大きなホタテを活かしたご当地バーガーが「別海ジャンボホタテバーガー」です。このバーガーにはいくつかのユニークなルールがあります。まず、使用するホタテは野付(のつけ)産の特大サイズ(2L以上)の春ホタテ(3月~5月が旬)の貝柱を春巻きの皮で包んで揚げたもの。バンズは地元別海町の「カフェ・オーク」特製のものを使用します。そして最大の特徴は、お客さん自身がバーガーを完成させるという「体験型」であること。提供時には、バンズ、ホタテフライ、特製ソース、牛乳などが別々に運ばれてきて、自分で挟んで食べるスタイルです。これは、「作る楽しみも味わってほしい」という思いから生まれたもの。サクサクのホタテフライとふわふわのバンズ、そして特製ソースのハーモニーが楽しめます。

根室:根室さんまロール寿司

サンマの水揚げ量日本一を誇る根室市ならではのご当地寿司が「根室さんまロール寿司」です。これも単なるサンマの寿司ではなく、地域ブランドとしての定義があります。まず、主役のサンマは根室産を使用し、シャリには道産米「ななつぼし」を使います。そして、そのシャリとサンマを、同じく根室産の希少な「棹前(さおまえ)昆布」で巻きます。具材として、道産の大葉、ネギ、白ゴマを使用することもルールです。さらに、昆布の味付けや寿司の太さ(直径約4.5cm)、1本840円(税別)という価格設定まで細かく決められています。これらの基準を満たしたものが「根室さんまロール寿司」として認定され、根室市内の寿司店などで提供されています。サンマの旨味と昆布の風味が絶妙にマッチした、上品な味わいです。

IV. 番外編:やきそば弁当

北海道のB級グルメを語る上で、忘れてはならない存在が「やきそば弁当」です。これは東洋水産(マルちゃん)が北海道限定で販売しているカップ焼きそばで、道民にとってはソウルフードとも言えるほど馴染み深い商品。通称「やきべん」。その最大の特徴は、麺を戻すためのお湯を捨てる際に、付属の粉末中華スープの素を入れたカップに注ぎ、中華スープとして飲むことができる点です。焼きそばの麺の風味が溶け出したお湯で作るスープは、どこか懐かしい、シンプルながらも香ばしい味わい。もちろん、焼きそば自体もコシのある麺と特製ソースが絡み合い、安定の美味しさです。定番のソース味のほか、「たらこ味バター風味」や「ちょい辛」など、様々なバリエーションも楽しめます。北海道内のコンビニやスーパーで手軽に購入でき、お土産としても人気が高い一品です。

V. まとめ

北海道のB級グルメの世界、いかがでしたでしょうか。札幌の定番から、各地に根付く個性豊かなローカルフードまで、その多様性と奥深さを感じていただけたなら幸いです。今回ご紹介したグルメは、北海道の広大な食文化のほんの一部に過ぎません。ジンギスカンや帯広豚丼のような肉料理、函館イカめし(今回は森町のいかめしを紹介しましたが)に代表される海鮮系、そして各地の創意工夫が光る麺類や丼ものなど、訪れる地域ごとに新たな発見と感動が待っています。これらのB級グルメは、単に美味しいだけでなく、その土地の歴史や風土、人々の暮らしを映し出す鏡のような存在です。次回の北海道旅行の際には、ぜひこの記事を参考に、あなただけのB級グルメ探訪の旅を計画してみてください。きっと、忘れられない味との出会いが、旅の思い出をより一層豊かなものにしてくれることでしょう。北海道の食の魅力は尽きません。これからも新たなグルメが生まれ、進化していくことでしょう。その探求の旅に終わりはありません。

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