息をのむような雄大な自然、古くから続く歴史と文化、そして心も体も癒される温泉。長野県は、訪れる人々を魅了する多彩な魅力にあふれています。首都圏や中京圏からもアクセスしやすく、「ちょっと足を延ばしてリフレッシュしたい」そんな気分に応えてくれるのが、長野の日帰り旅行です。
日帰り旅行の最大の魅力は、なんといってもその手軽さ。限られた時間の中でも、計画次第で充実した一日を過ごすことができます。美しい景色に感動し、歴史ある場所に思いを馳せ、美味しいグルメに舌鼓を打つ。そんな贅沢な体験が、日帰りで叶うのです。
この記事では、日帰りで長野を満喫するためのモデルコースやおすすめスポットを厳選してご紹介します。特に人気の高い善光寺周辺、息をのむ絶景が広がる上高地、そして旅の疲れを癒す温泉地、さらに長野ならではの味覚「信州そば」まで、盛りだくさんの内容でお届けします。さあ、あなただけの日帰り長野旅プランを見つけに出かけましょう!
エリア別おすすめスポット紹介:日帰り長野を彩る珠玉の場所
長野県は広く、エリアごとに異なる魅力があります。ここでは、日帰り旅行で訪れやすい代表的なエリアと、その見どころをご紹介します。
【エリア1】信仰と歴史の中心地:善光寺周辺(長野市)
長野市のシンボルであり、全国から多くの参拝者が訪れる「善光寺」。約1400年の歴史を持つ古刹で、「一生に一度は善光寺詣り」と言われるほど、古くから人々の信仰を集めてきました。宗派を問わず全ての人々を受け入れる無宗派のお寺としても知られています。
出典:「善光寺⧉」|善光寺
善光寺身は茲に心は信濃の善光寺 導き給へ弥陀の浄土へ。信州善光寺は、一光三尊阿弥陀如来様を御本尊として創建以来約千四百年の長きに亘り、阿弥陀如来様との結縁の場として民衆の心の拠り所として深く広い信仰を得ております。
- 見どころ:
- 本堂:国宝に指定されており、その荘厳なたたずまいは圧巻です。「撞木(しゅもく)造り」と呼ばれる独特の建築様式も見どころの一つ。
- お戒壇巡り:本堂の瑠璃壇下の真っ暗な回廊を巡り、中程にある「極楽の錠前」に触れることで、ご本尊と結縁できると言われています。暗闇の中を進む体験は、他では味わえない貴重なものです。
- 山門(三門):重要文化財に指定されている壮大な門。楼上からは、善光寺境内や長野市街を一望できます。(別途拝観料が必要)
- 仲見世通り:善光寺へと続く参道には、様々なお店が軒を連ねています。お土産物はもちろん、名物のおやきやソフトクリームなどを味わいながら散策するのも楽しみの一つです。
- 周辺の観光スポット:
- 城山公園:
出典:「城山公園 (長野市) – Wikipedia⧉」|ja.wikipedia.org
https://ja.wikipedia.org/wiki/城山公園_(長野市)
善光寺の東側に隣接する公園。美術館や動物園があり、市民の憩いの場となっています。桜の名所としても知られています。
- 城山公園:
- アクセス方法:
- 電車・バス:JR長野駅から善光寺方面行きの路線バスで約10~15分、「善光寺大門」バス停下車。
- 滞在時間目安:
- 善光寺参拝(お戒壇巡り含む):約1時間~1時間30分
- 仲見世通り散策・お土産選び:約1時間
- 合計:約2時間~2時間30分
善光寺周辺は、歴史と活気を感じられるエリアです。午前中に訪れて、ゆっくりと参拝や散策を楽しむのがおすすめです。
【エリア2】神降地とも称される絶景:上高地周辺(松本市安曇)※紅葉シーズン特におすすめ
北アルプスの麓に広がる「上高地」は、日本屈指の山岳景勝地として知られています。標高約1500メートルに位置し、梓川の清流、穂高連峰の雄大な山々、そして手つかずの自然が織りなす風景は、まさに「神降地(こうりんち)」と称されるにふさわしい美しさです。特に新緑の季節や紅葉シーズンは、多くの観光客や登山者で賑わいます。
注意:上高地は通年マイカー規制が実施されています。自家用車で向かう場合は、指定の駐車場(沢渡駐車場または平湯駐車場)に車を停め、シャトルバスまたはタクシーに乗り換える必要があります。
- アクセス方法:
- 公共交通機関:松本駅からアルピコ交通上高地線で新島々駅へ(約30分)、そこからバスで上高地へ(約60分)。または、JR高山駅から濃飛バスで平湯温泉へ(約60分)、そこからシャトルバスで上高地へ(約25分)。
- マイカー:長野道 松本ICから沢渡(さわんど)駐車場まで約60分。中部縦貫道 高山ICから平湯(ひらゆ)駐車場まで約40分。各駐車場から上高地バスターミナルまでシャトルバスで約25~30分。
- 紅葉シーズンの注意点:特に週末は駐車場やシャトルバスが大変混雑します。早朝の出発や、公共交通機関の利用を強くおすすめします。
- 見どころ:
- 河童橋:
出典:「河童橋の写真一覧 – じゃらんnet⧉」|jalan.net
https://www.jalan.net/kankou/spt_guide000000152699/photo/
上高地のシンボルともいえる木製の吊り橋。橋の上からは、梓川の清流と穂高連峰の絶景を一望できます。周辺にはホテルやレストラン、お土産店が集まっています。
- 大正池:
出典:「上高地の大正池を実際に観光!アクセス・行き方・実際の写真と食べ歩き情報について | みれいの旅行ブログ⧉」|みれいの旅行ブログ
https://milei.jp/taisho-in-kamikochi/
焼岳の噴火によって梓川が堰き止められてできた池。立ち枯れの木々が幻想的な雰囲気を醸し出しています。
- 明神池:
出典:「明神 – 上高地公式ウェブサイト⧉」|上高地公式ウェブサイト
https://www.kamikochi.or.jp/learn/spots/1359/
穂高神社奥宮の境内にある神秘的な池。一之池と二之池があり、静寂に包まれた水面には穂高の山々が映り込みます。(拝観料が必要)
- 梓川沿いの散策路:河童橋から大正池や明神池へ続く散策路は、比較的平坦で歩きやすいです。清流のせせらぎを聞きながら、季節ごとの自然美を満喫できます。
- 紅葉:例年9月下旬から色づき始め、10月中旬に見頃を迎えます。カラマツの黄金色と広葉樹の赤や黄色が織りなす景色は圧巻です。
- 河童橋:
- 日帰りハイキングコース例(初心者向け):
- 河童橋~明神池 往復コース:所要時間 約2時間~2時間30分。比較的平坦で歩きやすく、上高地の代表的な景色を楽しめます。
- 大正池~河童橋 片道コース:所要時間 約1時間。バスで大正池まで行き、河童橋まで散策するコース。上高地に入ってすぐ絶景を楽しめます。
- 日帰りでの注意点:
- 上高地はアクセスに時間がかかるため、日帰りの場合は滞在時間が限られます。見たいポイントを絞り、効率的に回る計画を立てましょう。
- バスの最終便の時刻を必ず確認し、乗り遅れないように注意が必要です。
- 標高が高いため、夏でも朝晩は冷え込みます。服装には注意し、羽織るものを持参しましょう。雨具も必携です。
日帰りでの上高地観光は少し駆け足になりますが、その価値は十分にあります。特に紅葉シーズンの絶景は、忘れられない思い出になるでしょう。早朝に出発し、午前中に散策を楽しむプランがおすすめです。
【エリア3】歴史と文化が香る名湯:別所温泉(上田市)
出典:「別所温泉のオススメ観光情報[公式]⧉」|別所温泉旅館組合
http://www.bessho-onsen.com/
信州最古ともいわれる歴史を持つ「別所温泉」。北向観音(きたむきかんのん)の門前町として栄え、古くから湯治場として親しまれてきました。柔らかな泉質は「美人の湯」としても知られ、旅の疲れを癒すのに最適です。レトロな雰囲気の温泉街を散策するのも楽しみの一つです。
出典:「北向観音 – Wikipedia⧉」|ja.wikipedia.org
https://ja.wikipedia.org/wiki/北向観音
- 魅力:
- 泉質:単純硫黄温泉(低張性アルカリ性高温泉)。肌に優しい滑らかなお湯で、美肌効果や神経痛、リウマチなどに効能があるとされています。
- 歴史と文化:北向観音をはじめ、国宝の安楽寺八角三重塔や常楽寺など、歴史的な寺社仏閣が点在しています。
- 温泉街の雰囲気:石畳の道や昔ながらの旅館が残り、風情ある街並みが楽しめます。足湯も点在しており、気軽に温泉を体験できます。
- おすすめの日帰り入浴施設:
- 大師湯(だいしゆ):
出典:「大師湯(別所温泉 外湯) | 信州上田観光協会⧉」|信州上田観光協会 | 長野県信州上田観光協会公式サイト。上田城をはじめとする観光スポット、宿泊施設、地元グルメなどの観光情報やa、コンベンション、教育旅行の情報提供などを行っております。
https://ueda-kanko.or.jp/spot/daishiyu/
別所温泉のシンボル的な存在の共同浴場。源泉かけ流しのお湯を楽しめます。(料金:150円、営業時間:6:00~22:00 ※変更の場合あり)
- 石湯(いしゆ):
出典:「【石湯】アクセス・営業時間・料金情報 – じゃらんnet⧉」|jalan.net
https://www.jalan.net/kankou/spt_guide000000171206/
真田幸村公の隠し湯であったという伝説が残る共同浴場。岩風呂が特徴です。(料金:150円、営業時間:6:00~22:00 ※変更の場合あり)
- あいそめの湯:
出典:「別所温泉 相染閣「あいそめの湯」 – 上田市ホームページ⧉」|city.ueda.nagano.jp
https://www.city.ueda.nagano.jp/soshiki/kenko/5027.html
露天風呂やサウナも備えた比較的新しい日帰り温泉施設。食事処や休憩スペースもあります。(料金:大人550円、営業時間:10:00~22:00 ※変更の場合あり)
- 大師湯(だいしゆ):
- アクセス方法:
- 電車:JR上田駅から上田電鉄別所線で終点「別所温泉駅」へ(約30分)。駅からは徒歩圏内。
- 車:上信越道 上田菅平ICから約30分。
- 滞在時間目安:
- 温泉入浴:約1時間
- 温泉街散策・寺社参拝:約1時間~2時間
- 合計:約2時間~3時間
別所温泉は、善光寺のある長野市や、上田城のある上田市からのアクセスも良好です。観光と合わせて立ち寄り、歴史ある温泉でリラックスするのもおすすめです。
出典:「上田城跡公園 – 上田市ホームページ⧉」|city.ueda.nagano.jp
https://www.city.ueda.nagano.jp/site/park/5552.html
旅の醍醐味!絶品「信州そば」を味わう
長野県を訪れたら絶対に外せないのが「信州そば」。冷涼な気候と清らかな水に恵まれた長野県は、日本有数のそば処として知られています。そばの実を殻ごと挽く「挽きぐるみ」のそば粉を使った、色合いが濃く香り高いそばが特徴です。
一口すすれば、そば本来の豊かな風味と香りが口いっぱいに広がります。つるりとした喉越しもたまりません。冷たい「ざるそば」や「もりそば」でそば本来の味を楽しむのはもちろん、温かい「かけそば」や、地域ならではの具材を使ったそばもおすすめです。
出典:「基本からアレンジまで!思わずつくりたくなる「信州そば」のレシピ集 | クックパッド⧉」|Cookpad
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おすすめのそば屋(例)
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- 【長野市】そば処 戸隠(とがくし)そば博物館 とんくるりん: 戸隠そばの伝統を伝える施設に併設されたそば処。自分でそば打ち体験も可能(要予約)。アクセス:JR長野駅からバスで約60分。
出典:「地元民が選ぶ戸隠そばランキング 本当は教えたくない戸隠そばの名店 | 戸隠観光なび⧉」|戸隠観光なび
https://togakushi.org/gourmet/ranking/
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- 【松本市】そば処 もとき: 松本城近くにある人気店。石臼挽きの自家製粉を使った手打ちそばが味わえます。天ぷらも評判。アクセス:JR松本駅から徒歩約15分。
- 【松本市】そば処 もとき: 松本城近くにある人気店。石臼挽きの自家製粉を使った手打ちそばが味わえます。天ぷらも評判。アクセス:JR松本駅から徒歩約15分。
- 【上田市】そば処 千本桜: 上田城址公園近くにあるお店。地元のそば粉を使った二八そばが人気。くるみだれでいただくそばもおすすめです。アクセス:JR上田駅から徒歩約10分。
これらはほんの一例です。長野県内には数多くの美味しいそば屋さんが点在しています。ぜひ、お気に入りの一杯を見つけてみてください。
欲張りモデルプラン!日帰り長野満喫コース(例)
限られた時間で長野の魅力を満喫するための、具体的な日帰りプラン例をご紹介します。公共交通機関を利用する場合のモデルコースです。
テーマ:善光寺参拝と別所温泉で歴史と癒しを満喫、信州そばも堪能!
- 8:00頃:東京駅などから北陸新幹線で長野駅へ出発
- 9:30頃:長野駅到着。バスで善光寺へ移動
- 10:00~12:00:善光寺参拝(本堂、お戒壇巡り)、仲見世通り散策
- 12:30~13:30:長野駅周辺または善光寺周辺で早めの昼食(信州そば)
- 14:00頃:長野駅からJR線で上田駅へ移動(しなの鉄道利用など)
- 14:40頃:上田駅到着。上田電鉄別所線に乗り換え
- 15:10頃:別所温泉駅到着
- 15:20~17:20:別所温泉で日帰り入浴&温泉街散策(大師湯、石湯、あいそめの湯など)
- 17:40頃:別所温泉駅から上田駅へ
- 18:10頃:上田駅到着。お土産購入など
- 18:40頃:上田駅から北陸新幹線で帰路へ
- 20:00頃:東京駅など到着
費用目安(一人あたり):
- 交通費(新幹線往復、ローカル線、バス代):約15,000円~20,000円(出発地による)
- 食事代(昼食):約1,500円~2,500円
- 入浴料:約150円~550円
- 善光寺拝観料(内陣・お戒壇巡り):大人600円
- 合計:約17,250円~23,650円
プランのポイント:
- 午前中に善光寺、午後に別所温泉と、エリアを分けて効率よく回ります。
- 移動は公共交通機関がメイン。乗り換え時間などを事前に調べておくとスムーズです。
- 新幹線を利用することで、日帰りでも比較的長い滞在時間を確保できます。
- 昼食は移動時間も考慮し、早めに済ませるのがおすすめです。
- もし上高地を含めたい場合は、長野駅や松本駅を拠点に早朝出発が必須となり、善光寺か温泉のどちらかを諦めるなど、かなりタイトなスケジュール調整が必要です。紅葉シーズンは特に時間に余裕を持った計画を立てましょう。
※このプランはあくまで一例です。ご自身の興味や体力に合わせて、訪れる場所や時間配分を調整してください。
まとめ:日帰りで心ゆくまで長野を満喫しよう!
この記事では、日帰りで楽しめる長野の魅力的なスポットとして、歴史ある善光寺、絶景の上高地(特に紅葉シーズン)、癒しの別所温泉、そして絶品グルメの信州そばをご紹介しました。具体的なモデルプランも参考に、あなただけの長野日帰り旅行を計画してみてはいかがでしょうか。
日帰り旅行は、時間や費用を抑えつつ、日常から離れてリフレッシュできる素晴らしい方法です。雄大な自然、深い歴史、美味しい食事、そして温かい温泉が、きっとあなたの心を満たしてくれるはずです。
四季折々の美しい表情を見せる長野県。次の休日は、気軽に訪れることができる信州へ、魅力発見の旅に出かけてみませんか? きっと素敵な思い出が作れるはずです。
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